国土交通省の仙台河川国道事務所の名取川出張所が2年前に発表した論文を読んだ。
「堤防法面に適した植生管理の試行について」というタイトルで、オオブタクサを排除するために、堤防法面を掻き起した顛末を発表している。
出張所の担当は、オオブタクサが繁茂する箇所を掻き起して野芝の種子を散布してみたのだが、かえって広く繁茂してしまったという。
たぶん周辺にこぼれていたオオブタクサの種子が拡散されたのだろう。たった半年で小粒の種から3mの大木に成長する生命力には驚くが、堤防の植生管理でオオブタクサを扱うのは、名取川出張所が初めてだろう。
オオブタクサは草丈が最大で3mにも達する外来種で種子で繁殖する。地下茎はなく根は地表面の浅いところにある。
根は中心部が太く、そこからたくさんの細い根が広がって、風に吹かれても倒れないようにふんばっている。
いままでだれも手を付けなかった堤防のオオブタクサに、名取川出張所が挑もうとしているのは立派なことだ。
思えば堤防の構造は何十年も変わっていないような気がする。道路では予防保全型インフラメンテナンスを標榜し、様々な技術が導入されている。
名取川出張所はこれから高い壁を乗り越えようとしているのかもしれない。
ジオネットは予防保全技術である。ジオネットでオオブタクサの根の中心部が太れないように予防できれば、オオブタクサの成長が抑制でき、一度の対策で恒久的に抑制効果が続くはずだ。
雑草が生えてから手を打つのでなく、生えにくくなるようにすることが予防保全型メンテナンスだ。
オオブタクサは荒れ地でもよく育つ。高さは3mにもなる外来種で、住民からは嫌われている。
オオブタクサの根は短くて浅い。中心となる根からたくさん細い根が四方八方に広がって、風に吹かれても倒れないように踏ん張っている。