2019年1月31日木曜日

超省エネ型ロードヒーティング(スリップ事故防止対策)の魅力

 国土交通省東北技術事務所が発案し開発した、超省エネ型ロードヒーティング(別名「ライン型ロードヒーティング」)の魅力を整理すると、次のようになる。
 
 ① 構造が単純である。
 ② 工事が簡単にできる。
 ③ 低圧電力が使用できるので、変圧器が不要になる。
 ④ 埋設する電熱線が従来の1/5で済む。
 ⑥ わだち部分だけの融雪なので、効率がいい。
 ⑦ 路面凍結やアイスバーンにならないので、スリップ事故が発生しにくい。
 ⑧ 橋梁に導入した場合、凍結防止剤の散布が不要になるので、橋の耐久性が向上する。
 ⑨ 自動薬剤散布装置のような、設置スペースが不要。
 ⑩ メンテナンスがほぼ不要。
 ⑪ 電熱線の張り替えが可能。
 ⑫ 以上のことから大幅なコスト削減が可能。

 また、この方法は国土交通省東北地方整備局から「3D表彰」を、土木学会東北支部や科学技術庁などからも表彰されている。

 なお、2013年11月から実働中の日沿道(秋田道)の4橋の、超省エネ型ロードヒーティングは故障せずに現在でも効果を発揮している。


秋田道(秋田県小坂町)で、現在も稼働中の「超省エネ型ロードヒーティング」のようす。スリップ事故防止に効果を発揮している。



2019年1月18日金曜日

省エネ型ロードヒーティング  ~路面凍結によるスリップ防止対策の経済比較~

 ミラーバーンやアイスバーンなど、路面凍結によるスリップ事故を防止するための各種方法の、特徴とライフサイクルコストを、下表のようにまとめてみた。

 近年はヒートポンプで加熱した不凍液を、放熱管で循環させる方法が主流となっている。しかし、ヒートポンプの高コスト、騒音や格納場所の確保が必要だ。ポンプが故障することもある。
 また、放熱管の配管スペースが確保できないので、橋面の融雪には不向きだ。

 一方、トンネルのように降雪がない箇所では、舗装材にウレタンやゴムなどを混入させた凍結抑制舗装が施工されている。しかし、この舗装は雪を融かすことができないので、降雪があるところではあまり効果が期待できない。 

 下表のように、超省エネ型ロードヒーティング(ライン型ロードヒーティング)のコストは小さく、かつ、スリップ防止効果が期待できる方法である。しかも、既設の橋にも導入が可能だ。

 詳細な設計仕様や設計図集、技術資料は、国土交通省東北地方整備局の東北技術事務所(TEL 022-365-8211)が保有しており、導入を検討する場合はぜひ問い合わせをお願いしたい。
 貴重な税金で製作した技術資料を、東北技術事務所が出し惜しみすることはないと思う。