下流の吉田川では越水が原因で破堤し、寺や民家が流され大きな災害となった。総理大臣が2度も視察に来るほどだった。
写真は善川の右岸の1.8㎞の堤防。法肩から40~50㎝下がった辺りが、越水で洗堀されている。法尻には侵食の形跡は見られなかった。
国交省では越水しても破堤に至るまでの時間を少しでも伸ばそうと、5年計画で堤防の裏法面の法尻をブロックで補強する工事を進めている。しかし、善川では法尻ではなく法肩付近が洗堀されていた。
そこで思い出すのは、東京理科大学の二瓶教授が行った水理実験。
水理実験と同じような現象が、現場でも発生していた。
国交省では台風19号の甚大な被害を踏まえ、「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」を設け、今年の夏ごろをめどに、検討会を開催し堤防強化の方向性を示す予定である。
堤防決壊の原因の7~8割が越水といわれる。すべての堤防を嵩上げするには膨大な予算が必要で、とても無理かもしれない。
どのような方針が出されるかが、専門家やマスコミなどから注目されている。
東京理科大学の実物大での越水破堤の実験状況。の裏法面の法肩が深く洗堀されている。 |
台風19号で善川が越水し、法肩が洗堀されていた。東京理科大学の実験と同様の現象となった。 |
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