国土交通省の北上川下流河川事務所が管理する江合川で、雑草抑制ネット(タキロンシーアイシビル社製 高密度ポリエチレン製の1mmメッシュのネット)によるイタドリの抑制実験を開始したのが2023年1月。それから2年6か月経過した。
2025年7月4日の午後、現地に到着して効果状況を観察した。
下の写真のAとBのエリアは雑草抑制ネットを敷いているが、Cのエリアはネットを使用しないで堤防を50㎝掘って土を入れ替えて野芝を張った従来工法である。
堤防は6月17日にラジコン除草機械で除草済みだったが、Cのエリアでは、新しいイタドリの芽が30㎝程度に伸びていた。もう2~3年もすれば、元のイタドリのジャングルに戻ってしまいそうである。1m2あたり1万円もかけて芝の張替えをしても、5年ほどで元の木阿弥なのである。
一方で、雑草抑制ネットを敷いたAとBのエリアでは、5~10㎝程度の小さなイタドリがポツリポツリと生えているだけである。昨年よりも数は減ったようであり、草丈も短くなっている。地中にイタドリの地下茎がまだ残っているらしく、細々と生き続けているようだ。
この程度だと堤防の点検作業には支障が無いし、植生維持上でも実害はない。イタドリの恒久対策と位置づけていいだろう。
ネットの上をラジコン除草機械が通ったら、機械が滑って転落するのではないかと心配する諸兄がいたが、野芝が剥げ落ちたり、ネットが露出していないので、この心配は無用だった。
Aのエリアは表土を10㎝入替え法面整形して雑草抑制ネットを敷き、その上に直に野芝を張るのでコストは1m2あたり6~7千円で済む。100年あたりのLCCで比較すると、雑草抑制ネット工法は従来工法の9分の1と極めて経済的である。
さらに、セイタカアワダチソウやヨモギ、ススキなどの繁茂も防止できるし、モグラの営巣も防止できる優れモノなのである。
雑草抑制ネットを使用していないCのエリアには、30㎝程のイタドリの芽が20本近く生えだしていた。
Cのエリアに生えだしたイタドリ。あと2~3年もすれば元のイタドリのジャングルに戻ってしまいそうである。
Cのエリアに生えだしたイタドリ。除草して17日目でもうこれ程大きくなっている。
Aのエリアに生えたイタドリ。草丈は5㎝ぐらい。この程度だと堤防の管理上ではまったく問題がないといえる。
この実験で使用した雑草抑制ネット。土の中にあるので直射日光が当たらないので劣化しにくい。
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