2018年10月30日火曜日

超省エネ型ロードヒーティング(スリップ事故防止対策)を発案する

 
  最近は、道路の凍結対策としてロードヒーティングを導入するケースがめっきり減った。

 一時、国内では北海道で多く整備されたが、施設の老朽化や膨大な電力料に、徐々に稼働を取りやめる道路管理者が増えた。

 従来のロードヒーティングは、なぜ高コストになるのかを考えた。

 下の写真は今までのロードヒーティングの施工状況である。電熱線や放熱管は道路幅の全部の雪を融かそうと、道路方向に直角にほぼ10㎝ピッチで布設されている。だから、既設の道路を融雪道路にしようとしたら、いったん舗装を剥がさなければならない。これがコストアップの大きな要因だ。

 電熱線をタイヤが接する部分だけ布設したら、どうなるだろうか。

 舗装を道路幅全部で剥がす必要は無くなる。電熱線の延長は短くて済む。

 電熱線の延長が短いと、消費電力が少なくなる。契約量が50㎾を超すと高圧電力になり、キュービクルと呼ばれる高圧受電設備が必要になる。

 キュービクルの価格は200~600万円ぐらいで、メンテナンス費用がかかる。これもコストアップの要因となる。

 わだち状に電熱線を布設すれば、電力料は1/5程度で済むし、高価なキュービクルも不要だ。
 工事も簡単にできる。
 

通常のロードヒーティングの施工状況。電熱線や放熱管は道路の横断方向に、びっしりと布設される。

植樹桝の雑草対策 (その6)

 仙台市太白区役所から許可をもらい、平成30年4月19日に「あすと長町」の市道でも、試験施工を行った。場所は、国土交通省の仙台河川国道事務所の玄関部だ。

 2番目の写真は、6月6日の状況写真。ジオネットを敷いたエリアの周辺では、地下茎植物のイタドリやヨモギが1㍍近くまで生長しているのに対して、実験エリアでは「エノコログサ」が低く生えている。この時点では実験は順調に推移していて、ジオネットの効果が十分だと思った。

 しかし、その後8月ごろに市役所が除草をすると、エノコログサが生長のピークに入り、30㎝程度まで伸びた。エノコログサは通常60㎝程度まで伸びる一年草だが、ジオネットは半分程度に生長を抑制している。(撮影は10月12日)
 
 また、イタドリやヨモギなどの地下茎の多年草は防御できているのも、ジオネットの特徴だ。実験エリアで繁茂するのは、殆どがエノコログサだ。

 ジオネットによる雑草抑制手法では、草丈をゴルフ場の芝のように短くすることはできないが、30㎝程度の草丈に抑制し、除草をしなくても我慢できるレベルにすることを目指している。


 
 

 

2018年10月15日月曜日

植樹桝の雑草対策(その5)

 平成29年8月に試験施工を実施してから1年以上が経過した、国道48号愛子バイパスの植樹桝の状況。
 
 ジオネット(高密度ポリエチレン製の網)を敷いた植樹桝は、一年草のエノコログサで覆われている。草丈は30㎝程度で、除草をしなくても我慢できるぎりぎりの高さ。(上の写真)

 一方、無体策の植樹桝は多年草のメドハギやススキ、ヨモギが繁茂している。草丈は1㍍を超している。(下の写真)

 多年草は地下の根(地下茎)から毎年発芽するので、今までは除草剤を散布するか、年に4~5回も除草するしかなかった。除草剤も除草も毎年継続的に行わなければならない。
 
 しかし、ジオネットによる雑草の生長抑制対策は物理的な方法であり、地下茎から発芽する茎の太さをコントロールすることで、草丈を低くする。

 効果はジオネットが劣化して破断するまで持続する。ジオネットの原材料である高密度ポリエチレンは、補強土壁の表面部にも使用されているほどであり、耐久性が高い。直射日光が当たらなければ半永久的と言われており、価格は500円~600円/m2程度、廉価である。
 
 撮影日はどちらも平成30年10月12日。
ジオネットを敷いた植樹桝。エノコログサをなんとか我慢できるくらいの草丈に抑えられていて、道路の景観を阻害するまでには至っていない。
ジオネットを使用しない植樹桝。ススキやヨモギ、ハギなどの地下茎植物が1m以上に繁茂していて、道路の景観を壊している。