宮城県土木部が管理する広瀬川にはイタドリが繁茂している箇所が多い。草丈は3mに及ぶものもある。
堤防の除草は年に1回。今年は8月の下旬だった。以前は年に2回刈ってくれたが、予算不足で減らされたのだろう。
写真の場所は近所の住人たちの散歩道となっている。夏の暑い日は火照ったアスファルト舗装を避けて、人間や犬たちがこの小径を通る。
しかし、初夏にはイタドリなどが3m近くまで伸び、ジャングルになって小径を塞いでしまいだれも通らなくなる。
3mに成長したイタドリは、幹が樹木のように固くなり鎌では刈れなくなる。数年前から時々ボランティアで草刈りをしていたが、固くなったイタドリで鎌がすぐに切れなくなったり変形してしまう。草刈りを2週間ほどサボっていると、小径はジャングルに変貌してしまう。
草刈りをしなくても、何時でも散歩できるようになれば住民たちが喜ぶだろう。自然のままの広瀬川は気持ちがいい。車を気にしないで自然を堪能できる。河原には木が茂り、せせらぎの音に混じって小鳥たちのさえずりが聞こえる。河川愛護の気持ちも生まれるだろう。それに、堤防点検もスムーズにできるはずだ。
住民から親しまれているこの小径がジャングルにならないようにしたい、そんな想いで昨年(2022年)の春に、堤防の法面にジオネット(タキロンシーアイシビル社製)を敷いた。たった1m四方だけだが、この1年半の間にイタドリは1本も生えてこなかった。ジオネットはイタドリの成長を恒久的に制御できそうだ。
ジオネットは耐侵食性もある。洪水が地面に直接当たらないので侵食されにくくなるのだ。また、草の根がジオネットを通って地面に根を張っているから、根がアンカーピン代わりになって洪水が当たってもネットは簡単には剝がれないだろう。
堤防のすべての法面にジオネットを敷くのは予算的に不可能だが、利用頻度が高い場所や洪水の弱点となるような場所に、限定的に施工することは可能だ。
大事なことは、河川管理者に改善を図ろうとする熱意や情熱があるかどうかだ。
1か月前に除草したものの、イタドリは1mまで再生してしまった。しかし、試験箇所には生えておらず、ジオネットがイタドリを制御していることが分かる。
除草前の小径の状況(6月11日時点)。イタドリは3m近くまで伸びてジャングルのようになっていた。こうなると、カマでの除草は困難だ。散歩だけでなく堤防の点検もできなくなってしまう。(写真中央のカマの長さは1.2m)
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