2023年10月11日水曜日

堤防でイタドリの成長抑制の試験施工を行う(5) (堤防のイタドリ・ブタクサ・セイヨウカラシナ・セイタカアワダチソウ・セイバンモロコシ・アレチウリ・モグラ・キツネ・イノシシ対策に挑む)

 国土交通省が管理する江合川の試験施工箇所の9月29日時点の状況。

 前回の観察日は8月16日だったので、それから約40日経過している。

 試験施工エリアのイタドリは、8月の時は葉っぱが青かったが、今回はほとんどが色づいている。中には枯れてしまい幹しか残っていないものもある。一方で試験施工エリア外のイタドリは葉の青いのが多く残っている。

 どうして同じ季節で、枯れたり色づくイタドリと、青青と元気なイタドリがあるのだろうか?

 ジオネット越しに生えたイタドリは維管束が1mmと細くなるので、葉緑素で作ったデンプンを地下に送ることができなくなる。

 維管束は、根から吸い上げた水分や養分が通る道管(どうかん)と、葉でつくられた栄養分が全身に運ばれるための師管(しかん)がたくさん集まって束になっているところだが、目合いが1mmのジオネットがボトルネックになって、それ以上太ることができないのだ。

 イタドリは地下の深いところに地上で生成された養分を貯めておく「貯蔵根」があり、春になると地上部の発芽のために「貯蔵根」から養分が輸送される。その役目を担うのが維管束である。人間で例えるならば臍の緒ということになる。

 臍の緒がジオネットで1mm以下に狭められると、地中と地上との水分や養分の輸送が困難になり、地上のイタドリは大きくなれない。葉から送られてくる養分はジオネットの上部のイタドリの根に貯めるしかないから大きく成長することはできない。

 ジオネットの上の厚さ1㎝程度の土壌では、盆栽鉢の植物のように成長が難しいはずだ。来夏、イタドリがどうなるかを興味深く観察するつもりだ。
江合川の試験施工の状況。(2023.9.29) ジオネットを通り抜けて萌芽したイタドリたちは殆ど枯れてしまっている。野芝の下に敷いたジオネットがイタドリの成長を抑制していることが確認できた。この効果が何年続くのか、長期スパンでの観察を続けるつもりだ。
 枯れたイタドリの幹。周りのイタドリはまだ枯れてはいないのに、なぜ、早々と枯れてしまったのか謎である。来夏、枯れたイタドリの根元から新たに萌芽すると思われるが、その後、どのように成長するのかを見極めたい。      

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