2018年8月30日木曜日

植樹桝の雑草対策(その4)

  道路の植樹桝にジオネットを敷いてから1年後の状況が上の写真。

  対策前は、下の写真のようにメドハギが1m近くまで伸びていたが、対策後には生えなくなった。代わりにエノコログサが生えている。

  エノコログサの草丈は、20~25㎝程度でとどまり、除草しなくても我慢ができる状態である。

  通常の環境だとエノコログサは50㎝以上に伸びるので、ジオネットによる成長抑制効果が発揮されたことになる。
 ジオネットを敷設した植樹桝。雑草を完璧に抑えることはできなかったが、ススキやヨモギ、ハギなどの地下茎植物はコントロールできている。
   ジオネットを使用していない従来の植樹桝。ヨモギやハギなど地下茎植物がはびこっている。

2018年8月26日日曜日

植樹桝の雑草対策(その3)

 ジオネットを敷いたあとに、砂を1㎝程度被せる。これ以上厚く敷くと、覆土の中で雑草が繁茂すると考えた。

 以前も書いたが、雑草は大きく分けて二種類ある。飛んできたり、土の中に混じっている種から発芽して、一年で枯れてしまう「一年草」。エノコログサやブタクサなどが「一年草」。

 一方、ヨモギやイタドリは、地下茎を巡らせて、何年も繁茂する「多年草」だ。

 ジオネットがヨモギやイタドリなどの多年草の成長を抑制できることは、堤防の実験で証明できている。

 問題は、 一年草のエノコログサをどこまでコントロールできるかだ、

2018年8月13日月曜日

植樹桝の雑草対策(その2)

植樹桝の雑草を除草したあと、切り株を除去して平らに均してから、ジオネットを敷く。

ジオネットの端部は、雑草がネットとブロックの隙間から発芽しないようにするため、折り返して「忍び返し」の状態にする。

白い針金は、折り返したジオネットが元に戻らないようにするためのもの。

植樹桝の雑草対策(その1)

 雑草の草丈が1mを超して、景観を阻害しているような植樹桝を、メンテナンスフリーにできないかと実験を開始。

 最初に雑草を除草し、次に雑草の切り株を除去する。切り株が残るとジオネットと地面の間に空間ができて、草が生えにくくなるから。

 切り株を除去しなくても、砂を敷いて平らにする方法もある。平らになればどちらでもかまわない。

  

2018年8月9日木曜日

ジオネットで雑草をコントロールする

  植樹桝や緑地帯の雑草のうち、多年草と呼ばれる地下茎を形成する雑草は、草丈が高くなる。 

  イタドリやヨモギは地下茎で増えていく多年草だ。

  ジオネット(「雑草抑制ネット」タキロンシーアイシビル社製)で多年草であるイタドリの成長を抑制する実験は、国土交通省の秋田河川国道事務所が管理する雄物川の堤防で実証済みだ。

  植樹桝でもこの手法が活用できないだろうか。

  実験方法を下図のようにイメージした。課題はエノコログサなどの一年草が、どこまでコントロールできるかである。

タキロンシーアイシビル社の特許製品「雑草抑制ネット」。材質は高密度ポリエチレンで劣化しにくい。網目のサイズは1mm以下が理想。

この手法は、国交省の北海道開発局の堤防法面で大規模に施工されている。

2018年8月8日水曜日

統一感のある雑草は見栄えがいい

 下の道路の緑地帯(中央分離帯)は、一見すると芝生のように見える。
 
 草丈と草の種類が統一されているので、さも手入れをしている芝生のように見えるの

 だ。この草の丈は30センチほどあるが、雑草らしく見えない。

 メンテナンスフリーの緑地管理のヒントがここにありそうだ。

 ジオネットで草の種類と草丈をコントロールできれば、メンテナンスフリーが実現できそうだ。
中央分離帯の雑草。草丈は30センチほどもあるが、丈と草種が統一されているので、整然として見える。

破れる防草シート

   防草シートのメーカーは数多くあり、様々な製品が販売されている。

  価格は1m2あたりで、300円から1000円程度で、耐用年数は5年から20年ぐらい。

  下の写真の防草シートは、施工後5年経過のもの

 劣化して、風にあおられて破れている。セイタカアワダチソウも隙間から生え出した。

 防草シートは地面に敷いて、アンカーピンで留めるのが一般的。

 一般の防草シートは紫外線で劣化しやすく、強風で捲れ上がることがあるので、しっかりとアンカーピンで留めなければならないが、アンカー付近から破れ出すことが多い。

 シートを目立たなくさせるために、薄く覆土すると風で吹き飛んでしまう。防草シートはメリットもあるが、デメリットも多い。 





2018年8月6日月曜日

防草シートは景観に馴染むのか?

 街で防草シートに覆われた植樹桝や緑地帯を見かけることがある。

 仙台は杜の都と呼ばれるからなのか、人工色の防草シートは、街の景観に合わない。

 いや、どこの街でも、防草シートが似合うはずが無い。

 そもそも、植樹桝や緑地帯は、草花を植える場所。

 それが人工色のシートになってしまうのが、違和感の発生原因だ。

 防草シートで覆うくらいなら、最初から緑地帯は造らなければいいのだ。その辺が不自然なので、違和感が生まれるのだろう。
 
 

仙台市太白区の道路。防草シートで覆われた植樹帯。もともとは草花を植えるために造られた筈だ。

2018年8月3日金曜日

植樹桝の雑草

 国道の多くは街路樹が植えられている。緑が豊かな道路は気持ちがいい。

 しかし、雑草は別。雑草が豊かに茂るほど、荒涼とした景観になっていく。

 手入れが行き届いた庭が清々しいように、道路もきちんと世話をしてくれると景観が保たれる。

 メンテナンスフリーで、雑草が目立たなくなるような方法はないだろうか。

 長い間、道路管理者たちを悩ませてきた課題だ。

植樹桝の雑草。狭いスペースでの除草は予想以上に手間がかかる。

景観を壊す道路の雑草 ~雑草だらけの国道7号~

 道路の除草回数は以前に比べて減ったので、雑草だらけの道路が多くなった。

 維持予算の制約で、国道だけでなく、県道も市町村道も雑草が目立つようになった。

 年に2回除草しても、雑草は写真のように1メートルを超す草丈になる。

 東京オリンピックまで、あと2年。

 海外から訪れる観光客は、こんな景色をどうみるのだろうか。

 

国道の緑地帯。セイタカアワダチソウが群生し、街の景観を阻害している。