特にトンネルと橋梁が連続しているような山岳道路では、橋付近でスリップ事故が起きやすい。
雪や凍結が無いトンネルの中で加速し、そのまま凍っている橋に差しかかって、慌てて減速するからだ。
橋梁は雪が積もり寒風に晒されるので路面凍結しやすい。さらに、除雪で橋の路肩に溜まった雪が、日中解けて凍ることも多い。
道路管理者は橋梁部を重点散布箇所に指定して、凍結防止剤(凍結抑制剤とも呼ばれる)を散布している。しかし、凍結防止剤はマイナス5度以下や、降雪量が毎時2㎝以上になると、効果が大幅に弱まる。トンネルの出口は危険なのである。
東北のごく一部のトンネルの出入り口部では、トンネル湧水やヒートポンプによる温水を循環するロードヒーティングを導入しているが、橋面の凍結防止対策は殆どされていない。
橋面の舗装の厚さは薄く、温水管を布設しても破損する可能性が高い。そうなると床版コンクリートに埋めるしかないが、あらかじめ床版を通常よりも厚く設計しておかなければならないが、設計者の頭はなかなかそこまでは回っていないのが実情だ。
橋が完成しスリップ事故が多発してから慌てて対策を検討することになり、「後悔先に立たず」で想像力や配慮が足りなかったことを悔やむ設計者がほとんどで、かくいう自分もまたその一人だ。
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日沿道のトンネルの入り口の橋台部のヒーティング。
ヒートポンプによる温水循環で融雪しているが、コストが高いのが難点だ。手前のわだち部の雪が融けている部分が、私が開発した超省エネ型ロードヒーティング(ライン型ロードヒーティングとも呼ばれる)
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