2020年4月2日木曜日

耐越水シートの開発⑩ (各シートの比較)

 耐越水対策としての、裏法面の被覆方法を考えるときに、最も重要なことはコストである。
 全国の堤防の延長は膨大であり、高コストの方法だと予算が追い付かない。
 もちろん、コンクリートブロックで覆うのが理想ではあるが、膨大な予算がかかり、工事がすべて終わるのには何十年もかかる。

 耐侵食性がコンクリートブロックのように完璧でなくても、越水破堤に至る時間を引き延ばす方法があれば、越水破堤の発生頻度は大幅に減らすことができる。
 越水に数時間持ちこたえられれば、多くの河川が救われる。

 いま、求められるのは、数年内で多くの河川堤防の耐越水性を一定レベルまで底上げすることである。そのためには、低コストの方法が必要である。

 シート被覆は、他の方法に比べて低コストである。下表は各種のシートについてまとめた評価である。

 私が提唱する高密度ポリエチレン製のネットであるジオネット(またはジオグリッド)は、最も低コストであり、継目は溶着ではなく嵌合式の構造が可能である。
 また、覆土することなく直接、芝などの植生が行えるし、覆土が無い分だけ点検や補修が比較的容易なのである。
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿