2018年6月25日月曜日

堤防のセイヨウアブラナの対策

    南東北以南の堤防では、春になると菜の花が咲き風物詩となって市民から歓迎されているが、河川管理上では大きな課題になっている。

   セイヨウアブラナ(セイヨウカラシナ)は越冬のための養分を蓄えようと、地中表面にカブ状の根を形成させる。この根が堤防表面の腐葉土化を招き、堤防を弱体化させる。腐葉土化が進むと大量のミミズが発生し、それを餌とするモグラやネズミが住み着き堤防に多くの穴を掘る。

   また、モグラやネズミを餌とするキツネもやってくる。
 
   ブワブワに腐葉土化した堤防表面や、モグラやキツネが堤防を穴だらけにすると、洪水のときに大きな弱点となることが考えられる。河川を管理する国土交通省の職員は、毎年洪水の発生時期前にブワブワや穴がないか点検をしなければならない。
 
  ネトロンシートと呼ばれるジオネット(高密度ポリエチレン製の網)はセイヨウアブラナの生育を阻止してカブ状の根の形成を防止できる。さらに、ネトロンシート(㈱タキロンシーアイシビル)はモグラやキツネの爪よりも硬く強度があるので、これらの動物による穴掘りにも対抗でき、国交省の岩手河川国道事務所や仙台河川国道事務所が管理する河川堤防で試験施工されている。
堤防に掘られたキツネの巣。洪水になると弱点になる。


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