2026年4月30日木曜日

沈下したブロック積み擁壁の補強設計 ④

ひびの入ったブロック積擁壁で構築された道路の必要抑止力Pを算定するためには、土質定数の粘着力cと内部摩擦角φを定める必要がある。

しかし、これらが不明な場合は「繰り返し円弧計算」によって、数多くのスベリ円弧の計算により逆算することもできる。

現状では、斜面の安定解析を基に必要抑止力を算定する手法の詳細を明記した技術基準や技術書は存在しない。

それぞれの機関がそれぞれの手法で行っているのが実態である。例えば同じ県庁内でも農林部と土木部で解析手法が異なるということである。

数少ない技術資料で解析手法に少しふれているのは、地盤工学会が2011年に発刊した『地山補強土工法設計施工マニュアル』のみである。

このマニュアルでは「N値からの換算式を用いて内部摩擦角φを定め、現状斜面の安全率を1.0以上と仮定し、逆算法により粘着力cを仮定する方法などが用いられている」と短文ではあるが貴重な一文が示されている。

日本地すべり学会の元副会長で国土防災技術(株)の社長の榎田充哉が学会誌で、『地山補強土工法設計施工マニュアル』の一文で統一すべきとの見解を示している。

もしN値のデーターもない場合は、仮定安全率をFs0=1.0に設定して下表のような関係図などができるものの、理想はN値を測定することが望ましいと思う。

今回は表のようにFs0=1.0とすると、表の最上段のように粘着力c=7.41KN/m2、内部摩擦角φ=29.00度になる。
繰り返し円弧計算でFs0=1.0になるような円弧を何通りも想定する。
Fs0=1.0になるのは表の最上段のような粘着力cと内部摩擦角φのときとなる。

0 件のコメント:

コメントを投稿