2018年11月14日水曜日

省エネ型ロードヒーティング(スリップ事故防止対策)  ~舗装に溝を掘~

  新設の橋に、ロードヒーティングの電熱線を布設する作業手順。

  橋の舗装は通常、基層と表層の2層で構成されている。

 写真は、基層に舗装カッターで溝を掘っている状況。日沿道の大館小坂道路の橋梁だ。

 電熱線の太さは約10㎜。溝の幅はそれよりもやや広い12㎜とした。2㎜の余裕は、電熱線の伸縮に対応できるようにするためだ。


電熱線の布設イメージ。溝の中で電熱線が伸縮できるように余裕をもたせる。
 
舗装にカッターで溝を掘る作業。カッターの刃を3枚重ねている。

2018年11月8日木曜日

簡単で安く施工できるロードヒーティング(スリップ事故防止対策)の発案

 従来の発想で、供用中の橋にロードヒーティングを追加設置するのは難しい。少なくとも、橋面舗装はすべて剥がさなければならないし、温水パイプのように太いものは、橋面舗装の中に格納しきれない。

 そこで下のイラストのように、電熱線を布設する方法を考えた。
 舗装カッターで溝掘りをして電熱線を入れ、隙間を瀝青シーリング材で埋める。
 
 これだと、凍りやすい橋からスリップ事故を防止できるかもしれない。

 しかし、どんなシーリング材がいいのか、舗装が流動して電熱線が破断しないようにするためにはどうしたらいいのか、電熱線の間隔はどれくらいか、電熱線の深さはどこがいいのかなど、いろいろな課題が出てくる。

 国土交通省の東北技術事務所の技術課長をしているときだった。

橋梁に簡単で低コストにロードヒーティングを施工するイメージ図

2018年11月7日水曜日

省エネ型ロードヒーティング ~橋は凍結しやすい しかし対策はほとんど取られていない~

 橋は凍結しやすい。 
 特にトンネルと橋梁が連続しているような山岳道路では、橋付近でスリップ事故が起きやすい。
 
 雪や凍結が無いトンネルの中で加速し、そのまま凍っている橋に差しかかって、慌てて減速するからだ。
 
 橋梁は雪が積もり寒風に晒されるので路面凍結しやすい。さらに、除雪で橋の路肩に溜まった雪が、日中解けて凍ることも多い。
 
 道路管理者は橋梁部を重点散布箇所に指定して、凍結防止剤(凍結抑制剤とも呼ばれる)を散布している。しかし、凍結防止剤はマイナス5度以下や、降雪量が毎時2㎝以上になると、効果が大幅に弱まる。トンネルの出口は危険なのである。
 
 東北のごく一部のトンネルの出入り口部では、トンネル湧水やヒートポンプによる温水を循環するロードヒーティングを導入しているが、橋面の凍結防止対策は殆どされていない。

 橋面の舗装の厚さは薄く、温水管を布設しても破損する可能性が高い。そうなると床版コンクリートに埋めるしかないが、あらかじめ床版を通常よりも厚く設計しておかなければならないが、設計者の頭はなかなかそこまでは回っていないのが実情だ。

 橋が完成しスリップ事故が多発してから慌てて対策を検討することになり、「後悔先に立たず」で想像力や配慮が足りなかったことを悔やむ設計者がほとんどで、かくいう自分もまたその一人だ。

日沿道のトンネルの入り口の橋台部のヒーティング。
ヒートポンプによる温水循環で融雪しているが、コストが高いのが難点だ。手前のわだち部の雪が融けている部分が、私が開発した超省エネ型ロードヒーティング(ライン型ロードヒーティングとも呼ばれる)

2018年11月2日金曜日

超省エネ型ロードヒーティングのイメージ

 道路幅全部の雪や氷を融かさなくても、タイヤの幅だけ融かすだけで、スリップの発生は大きく減少する。このことは雪道を走った経験のあるドライバーなら、だれでも知っている。雪道を走るときは、わだちからはみ出ないようにするのが、雪国のドライブの鉄則だ。

 道路一面に圧雪になっている路面に対し、わだちの幅だけでも舗装が出ている路面は運転の安全度は格段に向上する。

 ロードヒーティングの電熱線を下のイメージのように、タイヤの直下に配置する。大型トラックや普通自動車、軽自動車のタイヤ間隔はそれぞれ異なるが、どの車両にも当てはまる間隔を選択する。

 従来のロードヒーティングは、道路の幅いっぱいに横断方向へ「ヘアピン状」に電熱線を配線するが、私が提案する方法だと、わだち部分だけの配線で済む。これでコストが大幅に下がる。また、この方法だと電熱線の真上を連続してタイヤが走行するので、熱のロスは少ない。

 わだちの間に融かせない雪が積もって、車が走れなくなるのではとの疑問をもたれそうであるが、国道の除雪出動基準は路面積雪が5㎝以上なので基準どおりに除雪していれば、わだち間に5㎝以上の積雪は発生しないことになる。それに走行車両が積雪を吹き払ってしまう。ただし、まったく除雪をしない道路では、わだち間の雪が残るのでこの方法は使えない。)

 冬期道路でスタックの発生は、路面凍結によるスリップが主原因である。
 つまり、雪を融かすよりも、凍結路面を防止することがスタック防止に不可欠と言える。
 
 
    従来のロードヒーティングの配線。道路の横断方向に緻密に配線されている
私が発案した超省エネ型ロードヒーティングのイメージ

2018年10月30日火曜日

超省エネ型ロードヒーティング(スリップ事故防止対策)を発案する

 
  最近は、道路の凍結対策としてロードヒーティングを導入するケースがめっきり減った。

 一時、国内では北海道で多く整備されたが、施設の老朽化や膨大な電力料に、徐々に稼働を取りやめる道路管理者が増えた。

 従来のロードヒーティングは、なぜ高コストになるのかを考えた。

 下の写真は今までのロードヒーティングの施工状況である。電熱線や放熱管は道路幅の全部の雪を融かそうと、道路方向に直角にほぼ10㎝ピッチで布設されている。だから、既設の道路を融雪道路にしようとしたら、いったん舗装を剥がさなければならない。これがコストアップの大きな要因だ。

 電熱線をタイヤが接する部分だけ布設したら、どうなるだろうか。

 舗装を道路幅全部で剥がす必要は無くなる。電熱線の延長は短くて済む。

 電熱線の延長が短いと、消費電力が少なくなる。契約量が50㎾を超すと高圧電力になり、キュービクルと呼ばれる高圧受電設備が必要になる。

 キュービクルの価格は200~600万円ぐらいで、メンテナンス費用がかかる。これもコストアップの要因となる。

 わだち状に電熱線を布設すれば、電力料は1/5程度で済むし、高価なキュービクルも不要だ。
 工事も簡単にできる。
 

通常のロードヒーティングの施工状況。電熱線や放熱管は道路の横断方向に、びっしりと布設される。

植樹桝の雑草対策 (その6)

 仙台市太白区役所から許可をもらい、平成30年4月19日に「あすと長町」の市道でも、試験施工を行った。場所は、国土交通省の仙台河川国道事務所の玄関部だ。

 2番目の写真は、6月6日の状況写真。ジオネットを敷いたエリアの周辺では、地下茎植物のイタドリやヨモギが1㍍近くまで生長しているのに対して、実験エリアでは「エノコログサ」が低く生えている。この時点では実験は順調に推移していて、ジオネットの効果が十分だと思った。

 しかし、その後8月ごろに市役所が除草をすると、エノコログサが生長のピークに入り、30㎝程度まで伸びた。エノコログサは通常60㎝程度まで伸びる一年草だが、ジオネットは半分程度に生長を抑制している。(撮影は10月12日)
 
 また、イタドリやヨモギなどの地下茎の多年草は防御できているのも、ジオネットの特徴だ。実験エリアで繁茂するのは、殆どがエノコログサだ。

 ジオネットによる雑草抑制手法では、草丈をゴルフ場の芝のように短くすることはできないが、30㎝程度の草丈に抑制し、除草をしなくても我慢できるレベルにすることを目指している。


 
 

 

2018年10月15日月曜日

植樹桝の雑草対策(その5)

 平成29年8月に試験施工を実施してから1年以上が経過した、国道48号愛子バイパスの植樹桝の状況。
 
 ジオネット(高密度ポリエチレン製の網)を敷いた植樹桝は、一年草のエノコログサで覆われている。草丈は30㎝程度で、除草をしなくても我慢できるぎりぎりの高さ。(上の写真)

 一方、無体策の植樹桝は多年草のメドハギやススキ、ヨモギが繁茂している。草丈は1㍍を超している。(下の写真)

 多年草は地下の根(地下茎)から毎年発芽するので、今までは除草剤を散布するか、年に4~5回も除草するしかなかった。除草剤も除草も毎年継続的に行わなければならない。
 
 しかし、ジオネットによる雑草の生長抑制対策は物理的な方法であり、地下茎から発芽する茎の太さをコントロールすることで、草丈を低くする。

 効果はジオネットが劣化して破断するまで持続する。ジオネットの原材料である高密度ポリエチレンは、補強土壁の表面部にも使用されているほどであり、耐久性が高い。直射日光が当たらなければ半永久的と言われており、価格は500円~600円/m2程度、廉価である。
 
 撮影日はどちらも平成30年10月12日。
ジオネットを敷いた植樹桝。エノコログサをなんとか我慢できるくらいの草丈に抑えられていて、道路の景観を阻害するまでには至っていない。
ジオネットを使用しない植樹桝。ススキやヨモギ、ハギなどの地下茎植物が1m以上に繁茂していて、道路の景観を壊している。