野芝の根毛の太さは0.3~0.5mm程度。シート上を芝で覆うためには、シートに芝の根毛が通過できるほどの穴が空いていなければならない。
遮水シートには穴や隙間がないので、芝等の植生は不可能である。
不織布による吸出し防止シートは、排水などは可能なものの、芝の根毛がシートを通過し土壌に入り込むほどの余地はないので、芝の生育は難しい。
補強土壁の壁面材として使用される「ジオグリッド」は、高密度ポリエチレン製の網で、恒久的な耐久性を確保しつつ、背面土圧に対応できるように芯材が太く強度を有している。
ジオグリッドと同じ材質で防風や法面保護等に利用されるのが「ジオネット(タキロンシーアイシビル㈱)」。価格は1m2当り1000円と廉価である。(㈱タキロンシーアイシビル)
下の写真は網目の目合が1.0mmのジオネットの上に野芝を張っている状況。
網目の大きさが、爪楊枝の太さよりも狭いが、芝の根毛が自由にジオネットを通過し、地山に根を伸ばすことができるので、芝の生育に支障はでない。
越水時の耐侵食性は、網目の目合が狭いほど向上する。
元国土交通省の技監だった東京大学の池内教授が、若いころに行った実験によると、植生とジオネットを併用した場合には流速6~7 m/sまで耐侵食効果があったとの報告がある。
低コストで耐侵食性能を確保しつつ、覆土が無くても芝などの植生が可能なのは、ジオネット(タキロンシーアイシビル㈱)のみである。
覆土が不要となると、ジオネットの点検も各段にしやすくなるメリットもある。
ジオネットの上に野芝を張った状況。 |
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