2020年3月8日日曜日

耐越水シートの開発③(法尻ブロックだけでは不安)

 私が危惧していたとおり、国交省が5ヶ年計画で推進していた危機管理型ハード対策の実施箇所で、裏法面の侵食が発生した。
 埼玉県東松山市を流れる都幾川の左岸である。法尻ブロックは2017年度に施工された。

 越流の水深は約10㎝で、越流時間は約8時間、堤防高さは2.7mだった。

  2015年9月の関東・東北豪雨の被害を経て、国交省が決壊に至るまでの時間を少しでも稼げるように工夫したのが「危機管理型ハード対策」だった。越流水深が10㎝と浅かったものの、堤防が8時間耐えたのは、その目的の粘り強さが十分発揮されたとの見方があるが、法肩や法面がかなり侵食されていて、もう少しで破堤するように見える。


  越流水深がもう少し深かったり、堤防の高さが今より高ければ破堤していた可能性があることは否めなく、全国で630㎞施工された法尻ブロックの効果に不安感が生まれる。

 もう、法尻ブロックだけでは越水破堤の防止は困難だ。裏法面全体の被覆工の検討が必要である。 
 
  


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