2018年6月13日水曜日

網の防草効果

 実験を開始してから約一年。網の雑草抑制効果が現れた。
 
 下の写真は2016年9月3日の撮影のもので、
 
 ①は2015年の8月に野芝の下に1.2㎜×1.0㎜の網戸用の網を敷設した箇所。
 ②は2015年の8月に野芝だけを張り替えた箇所。
 ③は2015年の10月に野芝の下に1.2㎜×1.2㎜のネトロンシート(タキロンシーアイシビル㈱)を敷設した箇所。
 ④は以前からの状態の箇所。
 
 ①~④とも2015年10月から2016年9月までの1年間、除草はしていないが、ネットを敷設した①と③の区画は、イタドリの繁茂防止だけでなく野芝の草丈も適度に抑制できている。

 この状態だと除草をしなくても、堤防の点検・巡視ができる。

 つまり、堤防植生のメンテナンスフリーが実現できそうなのである。

堤防での実験状況。網を布設するとイタドリの成長抑制の効果が現れた。

2018年6月11日月曜日

網の上に野芝を張る

  ネトロンシートの目合いは1.5㎜。

  野芝を張るときは、目串と呼ばれる割り箸のように太い竹串で野芝を串刺しにする。しかし、この方法だと、野芝1枚あたり2~3本は串を使うので、せっかく1.5㎜の細かい目合いのネトロンシートに大きな穴が開くことになる。その大きな穴の目をイタドリなどの地下茎植物の芽が探しあてて、発芽する可能性がある。(1.5mmメッシュではイタドリの抑止効果はいまいち。推奨は1.0mmメッシュ)
  目串は最小限の太さが望ましいと考え、市販の爪楊枝を使うことにした。爪楊枝の太さは直径2.0㎜。爪楊枝の頭部のくぼみを利用して、ネトロンシート(㈱タキロンシーアイシビル)を1㎝四方にカットして野芝を押さえるためのワッシャー代わりにする。
芝を押さえるために爪楊枝を目串代わりにした。1㎝四方に切ったネットをワッシャー代わりにする。
ネットの上に野芝を張っている状況。作業員の重みでネットがたるみだしたので、時々整形が必要だ。

2018年6月8日金曜日

雄物川の堤防で実験

 高密度ポリエチレン製で、目合いの細かい網がないかと探していると、タキロンシーアイシビル(株)で、ネトロンシートという2㎜の目合いの網が見つかった。

 これ以上細かいものは製造していないとのことだったが、実験の趣旨を説明すると会社は1.5㎜のものを製作してくれた。
 
 平成27年8月11日、秋田市内の雄物川の堤防で目合いが2.0㎜と、1.5㎜のネトロンシートと、ペットが爪をかけても破れない網戸(目合いは1.2㎜程度)の3種類の網を用意して、実験を始める。
 
 イタドリが繁茂している箇所を探し、最初にイタドリを除草して表土を5㎝程削る。新しい土を張り付けて法面整形してからネットを貼る。

 ネットの効果が比較できるように、ネットを使用しない区画も設けた。
各種のネットを貼り終えた光景。奥にはイタドリが繁茂している。

2018年6月5日火曜日

網で雑草をコントロール

  堤防の法面は野芝で被覆する。
 
  野芝の根(根毛)の太さは0.3㎜程度なので、1㎜の目合いの網(㈱タキロンシーアイシビル)ならば問題なく根をはることができるので、成長を阻害することはない。しかし、太いイタドリの芽は網を通過することはできない。
 
  ここでいう網とは網戸のように網目が自由に広がるものではなく、線材が溶着されていて網目が広がらないものである。
 
   植物は多年草と一年草に分けられる。多年草は地下茎から発芽し、一年草は毎年種から発芽する。河川管理者を悩ます丈の高いイタドリやセイタカアワダチソウは多年草である。この網は少なくとも多年草の成長を抑制する効果が期待できそうだ。

 下図がそのイメージである。

網で雑草の生長を抑制しているイメージ。

2018年5月31日木曜日

枯れるイタドリ

 官舎の空き地に樹脂製の網の「トリカルネット」を敷いて2ヶ月。イタドリは発芽したものの、途中で枯れだした。
 
   最初にイタドリの葉っぱにマダラ模様が出現して、徐々に枯れていった。

  イタドリの幹の外皮の直下に「維管束」が配列されている。葉っぱが製造した養分を運ぶ「師管」と、地中の水分を運ぶ「路管」で構成されているという。この両方の管が網の目で圧迫されるからだろう。
 
 首を絞められると植物も動物も生きては行けないということなのだろう。


枯れたイタドリ。

2018年5月23日水曜日

イタドリ対策を発案

 草丈が2~3mクラスのイタドリの幹はかなり太い。幹が細いと丈の高い草は風圧で倒れてしまうからだろう。

 試しに堤防に行ってイタドリの草丈と幹の太さを測ってみると、草丈は幹の直径の約100倍の比例関係であることが分かった。2mのイタドリは直径が約2㎝、20㎝のものは幹径2㎜だった。

  堤防を点検するとき支障にならない草の丈は40㎝程度と言われる。
 ということは草の幹を何らかの方法で、直径4㎜以下にすることができればいいのではないか。

 例えば、鉢植えの底に敷いている黒いプラスチック製の網が使えないか。
 直ぐにホームセンターに行ってみると、直径が2.5㎜のネットがロール状になって量り売りしていた。品名は「トリカルネット」だった。1m分だけ購入することとした。
 
 河川敷に行ってイタドリの地下茎を掘り出し、官舎の空き地に植える。地表面に買ったばかりの「トリカルネット」を敷く。果たしてイタドリは何㎝まで伸びるだろうか?

樹脂ネットを通り抜けてイタドリが発芽した。問題はどこまで成長できるかである。

2018年5月17日木曜日

イタドリ対策の現状と課題

 イタドリの繁茂は堤防点検作業に支障となるほか、堤防の弱体化や除草のコストアップを招くことから、今まで次のような対策が講じられてきたものの恒久的な対策になっていなかった。

(多数回刈り)
 北海道開発局の河川事務所が取り組んだ方法で、年に6回も刈り込むもの。イタドリは徐々に衰退していくという。しかし、予算的な制約から全国的に堤防除草は年に2回というルールになり取り組みは廃止された。

(除草剤の使用)
  国交省の四国や東北地方建設局(現地方整備局)が試行した取り組みで、堤防全体に除 草剤を散布する方法。効果はあるが毎年散布が必要なことと、河川が上水道の水源などに使われていることから全省で除草剤は使用禁止となっている。

(芝の張り替え)
  堤防を50~80㎝程掘り返して新しい野芝を張る方法で一般的なもの。しかし、イタドリの地下茎はそれよりも深いところにあり、少しでも地下茎が残ると再生することが多く、対策の見直しが検討されていた。
イタドリで覆われた堤防。こうなると点検員はイタドリをかき分けて歩かねばならず、堤防点検は不可能だ。